宇宙とボートとSideM(前)

ゲームをはじめてから、波はありつつも継続的に熱をあげている「THE IDOLM@STER SideM」の話。
 
怒涛の2nd LIVEが過ぎ去った先週末。現地には行けなかったけれど、ライブビューイング会場の熱気は凄まじくて、今でもまだ冷めないくらいだ。
彼らのライブをリアルタイムで観るのがはじめてだったから、というのもあるかもしれないが、有給をとって友人と喋り倒した月曜日も含め、とてもしあわせな3日間だった。
 
このしあわせな気分をとっておくためにゲームを始めたきっかけから振り返ろうと思う。そういえば海の話もしなくちゃと思っていたのだけど、まずはSideMという沼の話から。
気がつけばこの深い沼に肩までつかっているのだけど、これ、どうしてだったっけ。
 
端的に言えば友人のせいだろう。
最初にSideM存在を知ったのは、もう10年近い付き合いになる友人から、自分は今アイマス漬けになっていると聞いた時。
ちょうど勧めたい曲があるから、とりあえず聞け」と、初見キラーユニットとして名高いS.E.Mの代表曲「Study Equal Magic!」で殴られるところからはじまった。こんなにツッコミが追いつかない曲ははじめてだった。
 
その後彼らがどんな経緯でアイドルになったのかも含め色々と語ってもらったのだけど、そのパートは歌より前の方が良かったのではと今でも思う。だっていきなりこれは!! 面白かったけど!!
他のユニットについても、すでに曲が出ていたところはCDを聞かせてもらいつつ紹介してもらった記憶がある。当時の手帳を見返したら「infinity possibilities」とメモしてあったので、S.E.Mに落ちる気配はおそらくこの時点であったんだろう。
 
けれど、しばらくはそのままだった。友人とは物理的にとても離れていたし、何より繁忙期に突入してそれどころではなくなった。
 
もともと忙しい職場ではあったけれど当時はびっくりするほどのハードワークで、休み時間はコンビニご飯をデスクでつつく時くらい。朝9時過ぎには会社にいて、帰るのはいつも終電。それでも「やりたい仕事につけたんだから」という気持ちと、時折来る「報われる瞬間」が名残惜しくて、やめるにやめられなかった。
憧れていた仕事ができるのはしあわせだったし、今それを手放すのはもったいないことのような気がした。
 
でも、会社のことを知れば知るほど自分のやりたいこととズレがあることに気がついた。納得できない話で企画が潰れたり、理由も知らされないままダメ出しをあびせ続けられたりもした。
「やつれた」「やせた」と言われることが増え、胃薬と鎮痛薬が手放せなくなった。周りから「体調を崩す前にせめて会社を休め」と止められて、それでも、休んで仕事をさせてもらえなくなることの方が怖くてできなかった
 
でも、人間の限界はあっさりくる。
 
どかーんと降ってきた大きな案件をなんとかやりとげた金曜日。ようやく丸2日の週末休みを得たことに安心したら、一気に疲れが襲ってきて、シャワーも浴びずに玄関で寝落ち。目が覚めたのは16時。
日曜日の、16時だった。
 
はじめに感じたのは喉の渇きと空腹感で、水を1リットルくらい飲み干して、なんとかシャワーを浴び、コンビニに行ってカツ丼を買って食べて、10分もしないうちにもどして、鏡を見たら顔も首も真っ白。
そこでようやく、体調が相当悪くなっていたことに気がついた。
ベッドに寝転んだら積んでいた本や漫画が目に入った。気分転換にと思って買ったCDも未開封。くだんの友人ともいつから会ってないか数えながら眠りに落ちて、いつもの癖で7時に起きた月曜日。
仕事を、やめようと思った。
 
そう決意してから、辞めて、休んで、次の仕事を見つけるまでに半年くらいかかるのだけど、SideMをはじめたのは確かその後だった。
でも、その存在を思い出したのは仕事をやめてすぐ。何か元気が出るような曲が聴きたくなって、あのインパクトの塊みたいな曲の記憶を引っ張り出した。
 
 
そしてひさしぶりに聞いたその曲で、まさか泣く羽目になるなんて思っていなかった。
だって、歌ってるの男性版年齢高めPerfumeみたいな宇宙人スーツの三人組だよ? しかもなんかすごくピンクだよ??
なのにどうして、こんなに泣けてくるんだろう。
 
 
 
多分、仕事を辞めたせいでこれまで見て見ぬふりをしてきた引け目につぶされそうになっていたからだ。
 
もともと勉強が好きで、何かを「知りたい」という気持ちに助けられて生きてきた。だから、ずっとそれを支える仕事につきたいと思っていた。
大学時代の友人には先生になった子も多く、自分が「教師」という選択肢を取らなかったことに、実は少しだけ、でもずっと、引け目があった。
 
でも、ボロ雑巾みたいになっても中々手放せなかった最初の仕事は、先生とはまた違う
形で「知りたい」を助けることが叶う場所だった。教師よりずっと自分に向いていたし、やりがいもあった。だから平気だった。
 
でもそれはもう手放してしまって、私には何にもない。
じゃあ一体、これから何をすればいいんだろう。
 
 
必死に働いている時は顧みもしなかったけれど、ずっと抱えていた不安がそこで爆発した。体調不良にも拍車がかかって、次の職を探す気力がどこにも見当たらなかった。
でも、生きて行くためには仕事を得なくちゃいけない。
 
そうして偶然すがった先にいたのが、先生を辞めてアイドルになった三人組。
今はもう先生でないけれど、「知りたい」気持ちを大切に抱えたまま、前に進んで行く大人たち。
 
「教師」という道でなくても、できることはあるんだと証明されたような気がした。
 
 
 
 
そうして転がり始めればあっという間。
\ようこそS.E.Mの沼へ!/
 
・・・のはずだったのだけど、本格的にSideMにはまるまでには、もう一つ壁があった。
 
そしてそれを解消してくれたのは、また別のアイドルだったりする。